2021年4月28日(水)
自転車出張修理の古田輪業です。
今日は自転車のメンテナンス、管理について。コレを知っているといないとでは自転車の壊れ方、壊れた時の修理金額が大きく変わってくるかもしれません。
自転車の点検は使っている人がやるもの?!
壊れたら直さなきゃいけないっていうのはみなさん認識としてあると思いますが、自転車屋で買って自転車屋で修理してるんだから自分は特になにもしません、って方も多いのではないでしょうか。
で、表題の件なのですが、自転車の点検は使用者の義務ですよ、ということです。
義務ってなんだ!そんなのできないから自転車屋に持ってくんだろう!
というのが一般的な反応だと思いますが、コレって実は車とかでも同じで、日常点検というのは使用者(所有者)の義務とされています。
フワッとした説明で要領を得ないので肝心なところを抜粋すると
日常点検整備の実施はユーザーの義務として法令に定められています。点検の結果、もし少しでも「いつもと違う…」と感じたら、整備工場に相談してください。
【道路運送車両法第47条の2, 自動車点検基準第1条】
と、なっています。要約すると
点検整備はあなたの義務ですよ。でももし分からない、できないことがあれば整備工場に相談して点検、整備すること「も」出来ますよ。
という意味です。コレって文章で読むと当たり前のことが書いてあるように感じますが、意味をきちんと解釈すると認識と逆だったという方も多いのではないでしょうか。原則自分でやらなければならないということです。
これは自転車についても同じで、日常点検、整備は自分でやって、異常を感じたら自転車屋に持って行く、ということ。
そんな事できないよ…と思うでしょ?
なんでこんな面倒な話をするかというと、この認識があるとないとで壊れた時の対応が大きく変わり、修理金額も変わるからです。
すごく単純化して言うと定期的にタイヤに空気を入れ、ひび割れや摩耗がないか確認し、チェーンに油を注し、ブレーキの効き具合やハンドルのガタツキ、車輪にフレなどがないか、たまーに「見て」いるだけで突発的なトラブルで立ち往生したり、修理代が高額になるのを防ぐことが出来るということです。
ここで表題の件に戻りますが、空気入れと注油は別として、ほかは「見る」だけってのがポイントです。別になにか特別なことをするわけではありません。
たまに「見る」だけで修理代が安くなるならやらない手はないと思うんですが、やっていない方の方が多いですね。
ではなんで「たまに見る」だけで安く済むかと言うと下のタイヤのように

こんな感じで誰がみても「こりゃダメだよな」ってわかる状態でも、使用者の方は空気が抜けて使えなくなるまで気が付かなかったようです。
特に珍しい例でもなく、かなりの方がこんな状態でもパンクするまで気が付きません。
で、このお客様はどういった状況だったかというと、かなり家から離れた場所でパンクしたらしく、最初押して帰ろうかと思ったものの厳しそうだ、ということで近くの駐輪場に停めてバスで帰って来たそうです。
その上で出張修理を呼んだものの、またバスでその駐輪場まで行って駐車料金を払うことになりました。
バス代、駐輪場代、行ったり来たりする時間。コレって「たまに見て」いれば全部払わなくて済んだものです。
たまには自分の自転車を「見て」あげよう!
そうなんです。「見る」だけ。日常点検って特別な技術も知識もそんなに必要ありません。
ただし、毎日使われていると慣れてしまうので、新品のきれいな状態から点検をしておくこと。
そうする事で「あれ?最近ちょっと変だな?」と気がつくことが出来ます。正しい状態が認識できてるからですね。
一般の方が見たり触ったりしても異常に気がつくのは難しいと考えるかもしれません。
しかし、「正しい状態からの変化」は感じ取れると思いますので、日常的に見て頂くのがポイントです。
「あれ?こんなにタイヤツルツルだったかな?」
「こんなに車輪フラフラしてなかったよな?」
という感じで、問題がない状態をなんとなく認識しているだけで異常がおきた場合に変化を感じ取れると思います。
ですので、「見るだけ」というのはちょっと大げさですが、月に一度の空気入れ、チェーンが異音を発したり錆びる前に注油、そして乗る前に何となく「見る」
これだけで突発的なリスクを避けて、無駄なお金も払わなくて済むよ、というお話でした。
参考になれば幸いです。