2021年5月13日(木)
自転車出張修理の古田輪業です。
本日は朝から雨。午後には止むとの予報を信じた私が馬鹿でした…
今日みたいな小雨が一番やりづらいですが、それでも雨だと商売にならないのでご依頼頂けるのはありがたいです。
さて、今日はまたレアな修理。
国分寺でご依頼のお客様。パナソニックのギュットミニという電動アシスト自転車のフロントタイヤ付近から異音ということでお伺い。
車輪を回してみると確かにかすかに何かが擦れるような音。
大したことなさそうだな、と思いながらよくよく見ると…
リム(車輪)に思いっきりクラックが。大したことなさそうに見えるかもしれませんが、
タイヤがハマっている車輪の枠部分(アルミ製)がバッキリ割れています。
今回は事前に気がついたので良かったですが、走行中に車輪が割れてタイヤがバースト、ブレーキも干渉するので大事故になりかねません。
想像しただけでもゾットするレベルです。
ほとんどの自転車のフロントブレーキはリムブレーキというブレーキシューでリムを挟んで止めるという原始的な構造。
車はディスクブレーキ、ドラムブレーキなどでタイヤを支えているリムとブレーキが別の構造になっています。
自転車の場合もリアブレーキはドラムブレーキやローラーブレーキといったものを使っていますが、フロントはリムブレーキが主流ですね。
MTBはもちろんロードバイクも最近ではディスク化が進んでいます。
で、ブレーキゴムで無理やりリムを挟んで、摩擦によって止める構造なのでもちろん摩耗しますし、そもそもタイヤを支える構造体とブレーキが同じという合理的なのか無謀なのか分からない仕組みなので今回のような事が起こります。
ステンレスとかだと比較的マシなのですが、最近はアルミリムが多いです。
今回みたいな事例を見ると、ロードバイクにディスクブレーキが導入され始めた時にメーカーが
「ブレーキの為に強度を上げなくて良いので軽量化出来る!」
とか
「デザインの自由度が上がって設計がうんぬん」
とか言っていましたが、そりゃそうだ。今までが無茶だったんだよ、って思ってしまいます。
まぁ、そんな文句を言ってもしょうがないのでどのように対策をすれば良いのか、というところですが、
今回感じたのはやはり人間の感覚って大切だなぁ、と。
普通に使えている状態で、症状としては、なんとなくかすかに異音がする程度。
この状態で「あれ?おかしいな?」と気がつけるかどうか。
コレがやはり大切なんだと改めて感じました。
ですので、以前のBlogでもお話したところですが
自転車のメンテナンスは「見る」だけで良いという話 – 自転車修理の作業日誌
正しい状態を認識していれば、変化(故障)があった時に気がつくことが出来る、というのが大切だと思います。
またまた、いつもと同じ結論ですが、点検と自分で管理する重要性がわかって頂ければ幸いです。