2021年6月14日(月)
自転車出張修理の古田輪業です。
さて今日はまたまた特殊なパンク事例。しかも原因の見極めがかなり困難で、パンク修理で対処して、またすぐに…なんてことになりやすいパターン。
パンクの原因を探る
わかりやすく白いペンで印をつけていますが、真ん中に小さなキズのようなものが。
これだけなら普通のパンク修理で対処する所ですが、
他のところにも小さなキズが点々と。しかもバルブの位置から分かる通り、タイヤの横側に入っています。
つまり、走っていて何かを踏んだ、というわけではなさそう。
ここまで来てタイヤを疑うのですが、外してまじまじと見ても問題なさそうに見える。
あまり経験がないととりあえずパンクで対処してしまう所ですが…
実はこのパターン何度も経験がありまして。特定の車種で起こりやすいパターンでもあるんですが
それがブリヂストンのハイディーなんです。
タイヤが弱い?ハイディーツーの弱点
タイヤが太めでカッコイイ系の雑誌で取り上げられて人気が出た車種ですね。
こいつが少し曲者で、まず、
- 1 タイヤのサイズが26×1.95と呼ばれるMTBなどで使われるサイズであること。
- 2 一般的なタイヤに比べてサイドが柔らかく耐久性が低いこと。
の2点が主な原因で今回のような症状が出ると思われます。
1 タイヤサイズが26×1.95であること。
まず1.ですが、タイヤのサイズが少し違うことがなんでパンクの原因になるの?
と思われるかもしれません。下記の写真を御覧ください。
タイヤがハマっているリム(車輪)の幅を比べてみたものです。
右が今回のハイディーのリムで、左のシルバーが一般的な26×1 3/8のリムです。
明らかに右のほうが細いのがわかるでしょうか?そして
こちらはタイヤの太さを比べたもの。
同じく右がハイディー、左が一般車のものです。
ハイディーの方がリム幅が細かったのにも関わらず、タイヤは明らかに太いのがわかると思います。
要はハイディーはすごく細いリムに太いタイヤを履かせている、ということです。
ですのでタイヤに荷重がかかったときにタイヤが潰れ、タイヤサイドが大きく曲げられるような力がかかりやすいことになります。
2 サイドが柔らかく耐久性が低い
そして2.ですが、タイヤのサイドが柔らかいのは、良い言い方をすると「柔らかくしなやか」なのですが、耐久性では明らかに劣ります。
電動自転車で且つ子乗せ自転車と言うことで、タイヤにはかなりの負担がかかっているはずですが、タイヤサイドが潰れやすい構造、そして耐久性のあまりない仕様ということで、こういったトラブル、実はまぁまぁあります。
そんなこんなで古田輪業では純正ではないちょっと丈夫なやつを在庫しておりますが、どうしても同じものがイイ!という場合にはご用意も可能ですのでご相談ください。
まとめ
人気車種なのであんまり悪くも言いたくないんですが、ちょっと他と違ってカッコイイ!ものには他と違うトラブルに遭う可能性もあるよ、というのは他の車種でも同じですので、ご理解いただければと思います。
まぁ、そんなこと買う前にわかんないですよね。自転車屋もわかんないですよ。実際に修理が来て蓄積されて行くことでわかるだけですから。今回も見た目ではタイヤに明確な劣化はありませんでした。
短期間に何度もパンク修理している、という場合はタイヤに原因がある場合が考えられますので、ある程度古いものでしたら思い切ってタイヤ交換をするとパンクしなくなった、というのもよくある話ですのでご検討ください。
参考になれば幸いです。