自転車出張修理の古田輪業です。
出張修理という形でお客様もとへお伺いし、その場で修理、毎日ひたすら自転車を直しています。
一般のお客様はもちろん法人様の自転車納品、修理、ネット販売店のサポートなどもやっています。
最近は電動自転車がかなり普及してきましたので、一日の修理の半数以上が電動アシスト自転車、なんてことも。
そんな自転車のプロの立場から、ネットで売られている激安電動アシストをおすすめしない理由&購入時に気をつけるポイントを解説。
さらに、国内有名メーカー(ブリヂストン、パナソニック、ヤマハ)の自転車を一番安く買う方法もお教えします!
激安電動アシスト自転車をおすすめしない3つの理由
まず、激安電動アシスト自転車をおすすめしない理由3つはこちら。
- 品質が劣っている
- 製品保証などのサポートが弱い
- 修理が出来ない場合がある
詳しい説明の前に、そもそも安い電動自転車とそうでないものとの違いは?というところですが、一般的に国内で流通している電動アシスト自転車のメーカーは
- ブリヂストン
- パナソニック
- ヤマハ
この3つです。厳密には他にもありますが、販売台数から考えるとこの3つだと思っていただいて大丈夫です。
今回はこの3つのメーカーかそれ以外か(ローランド風)という前提でお話します。
結論として、キホンはこの3つのメーカーから選んで下さい。特にお子さんを乗せる場合は是非この3つのメーカーから選びましょう。
せっかく高いお金をかけて電動アシスト自転車を買うんだから、長く使いたいし、安心して使いたい。子供に万一の事があったら…
そう考えるのであれば、ネットで激安電動アシスト自転車を選ぶメリットはありません。
用途さえ間違わなければ上記の3メーカーであればどれを買っても大丈夫です。あとは好みの問題でメーカーやモデルによる優劣はほとんどありません。
では、なぜそう言い切れるのか?3つの理由を解説したいと思います。
1,品質が劣っている
まず大前提として、有名メーカーだから良いとか、知らない海外のメーカーだから悪い、ということではありません。
品質を決める一番大きな要素は価格です。販売価格が違うということは、かけているコスト(お金)が違うということ。このコストは直接自転車の品質や保証内容に関わってきます。
一般の方からするとパット見は同じように見えるかもしれませんが、こちらは自転車のプロです。
新車の組み立てから、何年も使ってボロボロになった自転車の修理まで、毎日ありとあらゆる自転車をさわっています。
その経験からいうと結局は価格なり、ということになります。
安い自転車はタイヤがすぐ駄目になる、ブレーキが効かない、といったトラブルが多く見られます。
実際に、先日も買って数ヶ月の電動アシスト自転車の、後タイヤ・チューブ交換をしました。もちろんすり減ったワケではなく、タイヤのひび割れが原因でパンクし、それがあまりにひどいので、このまま乗るのは不安だから…というお客様の要望で交換することになりました。
さらに、モーターのアシストが弱い、アシストにムラがあってガクガクする、バッテリーがもたない、など、電気系統のトラブルも目立ちます。
このような状態でも「仕様です」と言われれば対処のしようがありませんので、安かったからしょうがない、と諦めるしかありません。
これらは実際に乗ってみないとわからないのでネットでしか売られていない商品だと確かめられないのがムズカシイところですね。
チェックポイント
安いと言っても数万円〜10万円以上の買い物。しょうがない、と諦めるには高い買い物ですよね。
2,製品保証などのサポートが弱い
上記3メーカーの製品に対する主な保証内容は下記の通り
ヤマハ | パナソニック | ブリヂストン | |
製品保証 | 1年 | 1年 | 1年 |
フレーム | 3年 | 3年 | 3年 |
ドライブユニット | 3年 | 3年 | 3年 |
バッテリー | 2〜3年 | 2〜3年 | 2年 |
その他 | 盗難補償、各種保険 | 盗難補償、各種保険 | 盗難補償、各種保険 |
※製品ごとに違う場合がありますので実際の内容は確認して下さい。
この間は設計、製造上の不具合であれば基本的に無償で修理や交換の対象となります。
転んで壊した、タイヤが磨り減ったなどの故意、過失、消耗品の摩耗や劣化などはもちろん対象外です。
フレーム(自転車本体)はもちろん、電動アシスト自転車で心配なのが、バッテリー、手元スイッチ、モーターなどの電気系統のトラブル。
最近もパナソニックでバッテリーのリコールがあり、無償交換プログラムというのがありました。
パナソニックのような大きなメーカーでもこのようなトラブルがあります。ただ、トラブルがあったとしてもこのようにキチンと対応してもらえるのであれば安心できますよね。
もし、いま検討している激安電動アシスト自転車があれば、こういった保証内容をよく調べて下さい。今後何年にも渡って使っていくものですので、イザというときの保証は確認しておいたほうが良いでしょう。
また、自転車は基本的に販売店が修理や保証の窓口となります。保証内容の記載があってもネットでしか売られていない自転車はその際の窓口がない場合が多く、トラブルになりがち。
チェックポイント
近くに買ったお店があれば、何かの際にもすぐに持っていけます。メーカーの保証書にも「お買い求めの販売店にご相談下さい」とあります。
メーカーの取扱販売店ではなく「実際に買った店」という意味です。
ですので3大メーカーも「買った店に持ち込めることが前提」で保証内容を決めています。
ネット販売ならどうなるか…?事前に確認しておきましょう。
3,修理が出来ない場合がある
上記1,2からわかるように、激安電動アシスト自転車は、イザという時に困る事が多い。
バッテリーに問題があっても相談窓口がない、ブレーキが効かない、パンクしたけど近所の自転車屋に修理を断られた。
このように本当に困った時に直せない、なんてことも少なくありません。
実際に私もネットで買った電動アシスト自転車の修理をお断りすることも少なくありません。
もちろんコレにはちゃんと理由があります。
なぜかと言うと、自転車屋というのはメーカーと販売契約を結び、自転車を販売することでその保証や修理の際の部品の手配などが出来るようになります(逆に言うとしなければならない)
ですのでネットでしか売られていない自転車はそもそも契約がないのでどんなものかもわからないですし、構造が特殊な場合も多い。部品がない、修理方法がわからない、という状況に陥りがちです。
そこで自転車屋が修理してしまうと、最終的にはその自転車屋がそのトラブルについて責任の一端を負うことになります。
自分で販売したわけでもないのにトラブルの責任を負うのは困る。ということで最初から修理を断る、ということになります。
意地悪や技術不足ではなく、過去に親切心で修理したものの、後々トラブルになったのでやらないことにした、という自転車屋さんが大半です。
激安アシスト自転車でも、一般の自転車屋でも修理出来るようにマニュアルを用意しているところもあるようですが、そもそも契約もないのにマニュアルを渡されても困ってしまいます。
機械というのは品質が良ければ修理や調整も簡単なのですが、品質が悪いと時間がかかるどころかまともに直せないということになりがちなのです。
有名メーカー品よりも修理代金がもらえるならやる意味はあるかもしれませんが、そもそも安さで激安電動アシスト自転車を選んでいるわけですから、それもムズカシイ。
修理を断られても仕方ないかもしれません。
チェックポイント
壊れた時にどこで修理できるか、販売店に確認しておく。もしくは、近所の自転車屋に対応してもらえるか聞いて見ましょう。
安く買った自転車は修理も安い、というのは間違いです。
国内有名メーカー車を安く買う方法
でも、やっぱり高いものは高い…いきなり15万円以上の出費は厳しい…
そういう場合はレンタルという選択肢もありますのでそちらも検討してみて下さい。
子供乗せ電動アシスト自転車はレンタルで!!お子様の成長に合わせて乗り換えOK!ママチャリレンタルはMBR
下の記事でレンタルのコスパについても解説しています。
では、ヤマハ、ブリヂストン、パナソニックなどの有名メーカーの電動アシスト自転車を安く買う方法は?
ディスカウントストア、量販店のセールで安く買う
これはいわゆるドン・キホーテとかホームセンターなどの量販店です。チラシの折込や、決算セールなどで大幅に割引をする場合があります。
こういったお店が近くにある場合はセールのタイミングを狙って買いましょう。通常でも安いですが…
コレは業界の裏事情ですが、ディスカウントストア、とくにドン・キホーテなどは一般の自転車店とは全くちがうルートで仕入れをしています。
あまり言うと怒られそうですが、ドン・キホーテが台数限定のセールをする場合は小さな自転車屋の仕入れ価格と変わらない、なんてこともあります。
もう、対抗しようなんて思わない価格です。
ですので価格だけをみれば量販店、ディスカウントストアで購入するのが一番安く買うことが出来ます。
価格だけ、と強調したのは、販売店によっては整備や修理をしていない場合があります。この場合はその後の修理を受け付けてもらえる自転車屋が近くにあるか確認しておきましょう。
チェックポイント
有名メーカー品でも他店購入の場合は修理を断られる場合もあります。また、防犯登録も出来るかどうか事前に確認しておきまし
ネット通販で安く買う【裏ワザあり】
どうしても安く買いたい、近くに販売店がない、そんな場合はネット購入もありですが、トラブルになった場合は多少時間がかかったり、むしろ高く付く可能性を覚悟しておきましょう。
ネットで自転車を購入する場合でも、ある程度信頼できる販売店を選ぶのもポイント。
聞いたこともないショップはサポートに関して不安がありますよね。ネットで有名な販売店といえば
自転車通販サイマ(cyma)楽天市場店 サイクルベースあさひ楽天市場店などがあると思います。実はこの2つのネットショップでも、通常より安く購入する方法があります。
チェックポイント
通常の販売サイトからではなく、上記リンクのように「楽天市場店」で購入すること。
本家のサイトと同じ商品を比べてみると…ほぼ同じ価格でポイント分お得に!
※商品やキャンペーンなどで変わりますので購入前に確認を。
さらに楽天のキャンペーン中に購入すればポイントアップなどの対象となる場合もあります。
このように同じ商品を有名サイトで購入する場合でも、楽天のショップで買い物するようにお得に購入出来ます。
ただし、本家サイトと商品のラインナップが違ったり、送料なども変わる可能性がありますので注意も必要です。
サイマ楽天市場店の場合は「新・サイマスタンダード安心パック」という出張修理を含んだサービスに加入できないようです。
代わりにRakuten自転車あんしんパック というサービスに加入できるようですので、どちらがよいか検討したほうが良さそうですね。
出張修理のサービスを受けたい場合は下記の本家サイトから「新・サイマスタンダード安心パック」を同時に申し込む必要があるようです。
自転車通販サイマ(cyma)また、サイクルベースあさひ楽天市場店では店舗受け取りで送料無料などのメリットがあるようなので、どちらが良いかご自身の状況に合わせて選んでみて下さい。
※ちなみに「パンク修理剤」についてはおすすめしませんのであしからず。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか?ネットで売られている激安電動自転車をおすすめしない理由とブリヂストン、パナソニック、ヤマハなどの有名メーカー品を安く買う方法をご紹介しました。
ここまで読んで頂ければわかると思うのですが、できれば近くの販売店でメーカー品を買って下さい。
自転車は消耗品のカタマリです。3年位でタイヤがダメになり、交換しようと思ったら修理出来ない、なんてことになったら、いくら激安電動アシスト自転車でもコスパ悪すぎですよね?
さらに、電動アシスト自転車は普通の自転車に比べて電気関係のトラブルがどうしてもつきものです。
ネットでしか売っていない激安アシスト電動自転車はちょっとしたトラブルでも対処出来ない可能性が高いですし、有名メーカー車でも「購入した販売店へお問い合わせ下さい」と言われる事が多いです。
ネット通販で電動アシスト自転車を購入する場合でも、値段だけに惑わされず、信頼できるお店かキチンと確認した上で購入しましょう。
参考なれば幸いです!