自転車の出張修理という仕事をしていると、事故車の修理依頼、もしくは修理見積もり依頼も多くあります。
事故の場合動かせなくなってしまう場合も多いからだと思うのですが、最近自転車事故が増えているな〜という実感がありましたので自転車事故の現状と、事故の当事者になったらどうすればいいか、事故をおこさない、事故に遭わないためにできる事についてまとめてみました。
自転車事故のデータと現状
まず自転車の交通事故の現状はどうなっているのか?国土交通省の「自転車事故の損害賠償に係る現状について」という資料によると自転車事故の84%が対自動車であり、自転車同士や歩行者との事故はそれぞれ約3%程度となります。
自転車関連事故は年々減少しているのに対し、「自転車対歩行者」事故は減少せずに横ばいである。
国土交通省 自転車活用推進本部「自転車事故の損害賠償に係る現状について」1.自転車事故の発生状況より抜粋
「自転車相互」は年々減少してきていたが、平成27年から増加しており、「自転車対歩行者」事故の件数より多い。
国土交通省 自転車活用推進本部「自転車事故の損害賠償に係る現状について
自転車による事故全体は減少傾向にあるものの、「自転車と自転車の事故」と「自転車と歩行者」の事故はほぼ変わらないか、直近では増えていることがわかります。
そして事故の状況をみると多くが出会い頭、もしくは横断中の歩行者との事故で、19歳以下の事故発生件数が全体の38%を占めているということで、未成年者の事故が多い傾向にあるようです。
自転車事故の当事者になったら
では自転車で事故に遭ってしまったら、事故を起こしてしまったらどうすればいいのか?
まずは警察に通報を
「そんな大した事故じゃないし、大ごとにしたくないな…」
そう考えがちですが、自転車は法律上は車両ですので事故を起こした場合には負傷者救護・危険防止措置(救援義務)と警察官への報告(報告義務)があります。
倫理的にももちろんですが、これを怠ると負傷させた相手方に万が一のことがあった場合、後々訴訟などで大きく不利な状況となる場合があります。
そして警察を呼ばずに当事者同士で解決しようとするとなかなか折り合いがつかなかったり、交通事故証明書がない場合には保険金の受け取りや支払いに問題が出る場合があります。
また、必要と思われる場合には救急車を手配しなければなりません。
当事者間で連絡先の交換
示談交渉や保険の支払いなど当事者間でのやり取りが必要になりますので連絡先を確認しておきましょう。
保険会社への連絡と交通事故証明書の発行
保険に加入している場合は保険会社へ連絡をしましょう。警察から「交通事故証明書」を発行してもらうのも忘れずに。
自転車事故を防ぐための基本
自転車は車道の左側が「原則」歩道は「例外」
最近ではマスコミでも報道されていろいろなところで周知されていますが、自転車は軽車両ですので車道の左側走行が原則です。
歩道を走ることも出来ますが、法律上はあくまでも「例外」という扱いになります。
ですので歩道を走る場合には歩行者の妨げにならないように走らなければなりません。
あくまで歩道は歩道、歩行者が優先です。
周りをよくみて安全運転を
何を当たり前のことを…と思われそうですが、自転車に乗りながらスマホを見ていませんか?イヤホンをしていませんか?
ライトは点灯していますか?泥酔状態で運転していないですよね?
交差点での一時停止などは多くの方ができてないのではないでしょうか。
最近は警察の取り締まりも厳しくなり、罰則などが課せられるようになっています。また、事故の際にも不利になります。
冒頭の資料にもあった通り、交差点や出会い頭での事故が最も多いので、周りをよくみて安全運転で行きましょう。
【自転車保険】自転車事故に備えるには
ルールを守って安全運転をしていても、完全に事故を防ぐことはできません。
最近では自転車事故の加害者に高額な損害賠償命令が下される事例も増えるなど、法的にも「自転車は車両」という認識に立ち戻っている現状があります。
少し前までは自転車は交通弱者というイメージでしたが、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクに乗る人が増えたり、電動アシスト自転車の普及によってそのイメージも変わりつつあり、加害者になる場合も増えています。
そんな流れもあってか多くの自治体で損害賠償保険の加入が義務づけられるようになってきました。
金額的には損害賠償保険で1億円程度が一つの目安になります。
保険の種類と加入方法
TSマーク(自転車向け保険)
自転車店で加入できる保険です。TSマークには、青色マーク(第一種)と赤色マーク(第二種)があり、賠償内容が違います。
自転車安全整備士が点検確認した普通自転車にのみ加入できる点が特徴で、このマークには傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金(赤色TSマークのみ)が付いています(付帯保険)
更新期間は1年で、賠償責任補償の限度額は1億円になります(赤色の場合)
自転車の点検整備とセットなので価格は自転車店により異なりますので、詳細は最寄りの自転車店にお問合せください。
チェックポイント
賠償責任保険の限度額は1億円(赤色)ですが、死亡若しく重度後遺障害(1~7級)の場合が対象となりますので軽い怪我の場合は対象とならない点に注意。
自転車点検の際のおまけ程度と考えておいた方がいいかもしれません。
自動車保険や火災保険の特約
車を持っている方は任意保険の加入時に自転車保険へ加入している場合があります。
また、住宅の火災保険にも特約として自転車保険が付帯されている場合がありますので、加入している保険があれば自転車保険が付帯していないか確認してみましょう。
チェックポイント
他の保険に加入しているのであれば、割安で自転車保険の特約をつけられる場合があります。重複すると無駄になってしまうので自転車保険に加入する前に確認を。
コンビニやネットで加入できる自転車専用保険
最近はコンビニなどでも手軽に自転車保険に加入できるようになりました。ネットでも保険会社以外にも携帯電話事業者などでも取り扱いがあります。
内容的には様々なので、よく確認してご自分に合ったものを選びましょう。
家族構成などでプランが選べて年払いでおトクな楽天もオススメです。
チェックポイント
使っている携帯会社で選んだり、楽天などでポイントを貯めている方は要チェック。
手軽に入れるものが多いですが、保証内容の確認と、加入期間は手間を考えると一年間にした方がいいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?ルールを守って事故を防ぐのは当然ですが、万が一の為に保険に入るのも忘れずに。
安全運転で楽しい自転車ライフを。参考になれば幸いです。