2021年6月29日(火)
自転車の出張修理の古田輪業です。
こういう仕事をしていると、中古の自転車ないの?みたいな質問をよくされます。
自転車の値段が年々上がる昨今、ちょっとでも安い中古自転車を…という気持ちもわからなくはないのですが、個人的には中古自転車には否定的。
今日はその理由と、どうしても中古が良い!という場合に気をつける点についてお話したいと思います。
値段だけ見て買うと後悔するかも…?
※中古自転車は絶対ダメだ!というものではありません。判断がムズカシイので気をつけてね、というお話です。
中古自転車はすぐに壊れる可能性が高い
誰かが使って壊れて処分したもの、直すにはお金がかかりすぎる、ということで諦めたもの。
中古自転車はそんな自転車がベースになっています。それをある程度手を入れて乗れるようにして販売すると言うことなんですが、そもそも直すより買ったほうが良いよね、という判断で処分されたモノなので、状態は悪い場合が多い。
よくあるパターンで自転車屋さんがヒマな時間でちょくちょく直してそれなりにして売る、だから安く販売できるよ、というのもあるんですが…
見た目はきれいに直せても、見えない部分、特にベアリングを使っている部分は全部バラしてグリスアップ、みたいな事しないとどうにもならない。
でも、そんなことをしていたら割に合わない、ということで致命的な故障のリスクが残ったままになりやすいのです。
パット見てその自転車がすぐに壊れないか判断出来るでしょうか?
そんな事、プロの自転車屋でもバラして見るまで分かりません。
しかし、新車なら当然保証がついています。
価格が本当に安いのか判断がムズカシイ
1.の続きになるんですが、どこまで直しているか分からない、故障のリスクが読めない、ということになると、そもそも安いのか高いのか判断ができない。
見た目はきれいに出来るんですが、素人には分からないところで問題が起きるかもしれないリスクがある。
そんな状態で価格の判断はムズカシイと思います。新車を買うよりは安い、というのは当然なんですが、内容に対してその金額を払う価値があるのか?
確かに価格は安いけれど、内容に対して「安い」と判断できるでしょうか?
結局見た目は中古
いくらきれいに磨いたり、カゴやサドルを交換しても中古は中古。やっぱり全部ピカピカ、ということにはならない。
もちろん「見た目なんてどうでもいい!」という方は全く問題ないと思いますが、きちんと直したものならそれなりの値段になると思いますので、外観も重要な要素だと思います。
実際見た目ってその自転車がどのように使われてきたのかが分かるので実は重要な判断材料だったりします。
これは修理のときも同じで、例えば後輪のパンク修理だとしても全体の状態が悪そうな場合には前のタイヤとか、ブレーキなど、他の部分の修理も疑ってみます。
だいたい他にも危ないところが見つかります。修理が必要になるような使い方をしている、修理が必要になる期間乗っている、ということですので。
そもそも一見して「ボロいな…」と感じるような中古車はまず手を出さないほうが良いですね。
じゃあどうすればいいの?
もし、どうしても中古自転車がいいというのなら、上記をリスクをよく理解した上で、次の事に注意して選んでください。
1.どこを直したかきちんと説明してくれる。
2.すぐに壊れたり、調子が悪くなった場合にどの程度保証があるのか、どのくらい金額がかかるか説明してくれる。
3.自分が納得できる外観で、手をかけてきれいにしてあるもの。
このくらいが出来ていればある程度安心して購入できると思います。結局信頼できるお店かどうか、ということになってきますね。
個人的には自転車屋からしても半分運、みたいなギャンブルになってしまうので扱っていないんですが、逆に考えると、近所のお店で「いまタマタマちょうどいい中古があるよ〜」なんていうのもあるので、日頃の付き合いも重要かもしれません。
以上、中古車を見るときの参考になれば幸いです。